ロンリー・オル・ナイト

インドネシアの怪魚釣りを夢見るオサーンの奮闘記!

バルサ50

夏休みのお買い物・・・

こんにちは!!

いよいよ夏の連休が始まりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?
僕はまたまた関東で過ごしています(^^)/
なんやしら買い物ばっかしており、早くも予算を使い切りました(汗)


ああ・・・先が思いやられる。。。

母さん、関東には恐ろしい魔物が潜んでおります(>_<)




さてさて、する事もなく、何となくいつもの中古屋回り。。。
で、新品コーナーで思いもかけない出会いがありました。
すげー意外なルアー。。。
よお!久しぶり~って言いたくなる!
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コーモラン まるちゃん
流石に今回は球団ロゴとかはパクれなかったみたい(笑)
復刻なんて全然知らなくて、ネットで調べたらコーモラン70周年記念?だそうな。
思わずクスって笑っちゃいました!
確か阪神を持ってたんで比べてみたくて阪神イメージ購入!


で、あてもなくフラフラと街をながします。
本当はウンデッドのスミス物が欲しくて、売ってそうなショップに向かう途中・・・
ふと見かけた本当のリサイクルショップに初めて寄ってみました。
感心な事にちゃんと釣具のコーナーがあり、そこそこルアーが売ってました!

で、ショーケースでコレを発見!
微妙な4,900円・・・僕は安いと思うけど・・・(汗)
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バルサ50 2ND Jr(かな?) 白目だから「スタウト」
カラーはグリーンバックシャイナー?
古いバルサ50は調べるのも楽しいんで、まあ良いかと購入。

しかし、ココね、値段は酷かったなぁ~
認識と言うか、一律で高~く付けてます(汗)

で、高さに腹を立てながらも購入。。。
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900円もすんだよ!!! でもKCHカラー(笑)
HEDDON ZARA PUPPY 
ザラパピーにOLDなんて無いかもしれないけど初期の頃の物だと思う。

なによりKCHのパピーって初めて見た♪
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オリジナルサイズだったら・・・事件なんだけどなぁ(笑)


コレで計画がまったく変わりまして・・・
ウンデッドは例え有っても買えなくなりました・・・
結局、ここからUターンで戻ります。


で、この夏の帰省の一押しのポイントへ。

そうグランパさん!
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ココでね、前から気になってたのを購入。
残ってて良かった!!!

まずは一番好きな青!
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ロングP!!!

また?って思われるかも(爆)
でも大好きなロングPが
カラーセレクターカラーだよ!!!!!
買わずばなるまい???

続いて緑!
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ああ、ええ!!!

出来れば全色欲しいけど破産が確実になるんで(涙)
好きな2色を購入しました!

フフフ・・・いつまでも見ていれるわん!
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しかしグランパさん、ツボをついたカラーをお出しになる・・・
今後もずっと買い続ける気が・・・(汗)


【お蕎麦屋さんに行こう】

関東に帰って来て、その楽しみの一つにお蕎麦を食べる事があります♪
関西は何でも美味しい(本当に!)んですが、お蕎麦だけは関東の物が好きです!
家の近所の街の蕎麦屋さん。僕はココが一番ホッとし好きですね!

嬉しい事にアサツキが復活してました!
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ここ数年無かった・・・

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少しエグくて美味しいんです!

大盛りざる!!!
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美味しかった!!!


さあ夏休み後半は「釣り」に行きますえ!(^^)/






関東エグリ!!!

こんにちは!!

明日からは雨だそうで(^^;
本当は釣りに行きたかったけれど、関東に戻ってましてそうはいかず。
じゃあってんで釣りの次に好きな事・・・そうエグリに出かけました(笑)
やっぱ買物は関東かなぁ~
全然、期待もせず、気合もいれませんでしたが、結構欲しい物が買えました!

今しがた関西に帰ってきまして、密輸したエグリ品を記事にUPします(笑)

さて、昨日の家の近所のTB。。。
以前から欲しかった物を発見。でも価格的に買おうか買うまいか悩みました。
で、ふとレジ横を見ると値付け中のルアーがたくさんあります・・・
(このタイミングで見たり聞いたりするとロクな事がないんで)
黙って横目で観察(笑) おおよそ1時間後くらいかな~とメボシをつけまして、
時間つぶして戻って来ようと、ちょいと離れた別のTBに向かいました。

コレが良い結果を生んだ!ラッキー!

まずはブロ友さんが探しているという・・・
サムグリフィンは「バスバフラー」
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フフフの324円
多分、バスバフラー?バスバッフラー?だと思うんだけど。。。

ええ雰囲気!
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アイにカップが無いんが気になりますが・・・
小さい方の奴だと思うんだけどなぁ。
しかし、調べようと検索かけたら、自分のブロ友さんがたくさんヒット・・・
なにか縁があるのかな!
※コレは集めてらっしゃるブロ友さんに勝手に押し付け女房するつもりです(^^)/

で、もういっちょ!

今となっては懐かしいバルサ50 ウッドゥンブラザーズ!
新古品!?
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スマートアレック君だ!
1,620円という微妙な価格ではあるが・・・(笑)

一説では物凄く釣れるとか・・・
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新品だし、ふと例のホームで試してみたくなって。
しかし、バルサ50って本当に塗装が綺麗だねぇ。
で、ココはコレで終了!

よしよし(^^)/と上機嫌で先ほどのTBに戻りました!

で、やっぱビンゴ!

フフフン♪
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ストライクキング「プロップスカウト」 560円なり。
ダイワルアーフライでも紹介されたOLDアメリカンな逸品!

ええがな。
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このラフさがなんとも・・・
たった一つの難点は「うちで唯一持ってるのと同じ色」だという事。。。
まあ良い。一つは保管用、コッチは使用用ですね。


で、こちらもダイワルアーフライな逸品!
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コットンコーデル「クレイジーシャッド」324円なり。
フックや雰囲気からOLDですね。

ええがな!
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このコーデルらしいカラー大好き♪

後はOLDメガバス系がチラホラありましたが、好みではないのでパス。
Wスマートアレックを買った時点で購入を決定していたコイツを買いました。

バルサ50 ラージマウス君。
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1,296円という微妙な価格(笑)
でもこれ以下には下がらないだろうと推測。早く使いたいのもあります。

僕は本気で戦闘用のルアーと考えています。
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すっごいテーブルターンをしますよ!

今使ってるレッドヘッド以外の色が欲しかった。
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黒なら申し分ないですね。
ピンスポットでテーブルターン、回収時にノイジーと凄く使える奴なんですね。


で、最後は足をのばしてこちらまで。
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グランパさん! この店は大好きです!

で、最後の1冊になっていたTOPTOUを買いました(^^)/
あぶねぇ~
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ナチュプリ興味あったし良い感じ。
・・・と思ったら自分もちょびっとだけ記事に出てました(汗) すっかり忘れていた!
でも良かった~


こうやって何か大満足で帰宅しました!!!(笑)
しかし、関西で釣り(車あり)って本当にありがたいです。
だいたいホームも絞り込めたんでルアー買うにも張り合いが出るし、
今までとは気分とやる気が違いますねぇ(笑)

今回買った物持って来週は釣りに行こう!!!






First Time I met the Bass Fishing 特別編

中古釣具店でウッディーベルの「オールドブロンズバッカー」というルアーを見る事がある。
たいてい安い値段をつけられたそいつを見ると、何となくホッとし、
そして少しだけ物悲しい気持ちになる・・・
 
もう20数年以上前のちょうど今のような桜が満開の季節の事だ。
バス釣りを始めたばっかりで、右も左もわからない僕にはどうしても欲しい物があった。
師匠が見せてくれて一目ぼれした「バルサ50」のルアー達だ。
バルサ50はとても奇麗なルアーだった。
これが木でできているなんて最初は信じられなかったのを覚えている。
コーチドッグやパロットなんて見ているだけでドキドキするような美しさがあった。
そもそも僕はルアーについて何も知らなかった。バス釣りを教えてくれた親友のMや師匠から
少しずつ聞いてはいたけど、結局は自分が見て一番欲しい物が欲しかった。
だからバルサ50だった・・・見る度に欲しくなっていく・・・
けれども何処へ行っても、どれだけお店を回っても何処にも売っていなかった。
世の中が「バスブーム」とかでとんでもないことになってたんだ・・・
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地元の老舗ショップが5千円以上お買い上げの方のみとか、
他の製品を1万円以上お買い上げの方のみとか
ようはそれだけ買った人のみが1個だけ買う権利を得られるというやり方を始めた…
たしかメガバスが5千円以上で、バルサ50とZEALは1万円以上だったと思う。
これ見よがしに置いてあるアライ君やビッグラッシュを見ると腹がたった。
さすがにこれは買いたくなかった。
そうではない少しだけ良心的な店はバルサ50の発売日を固定した。
ようは早い者勝ちというスタイルだ。
すると発売日の前日から徹夜で並ぶ人がでた。
閉店間際にやってきて翌日の開店まで並ぶそうだ。
その店の徹夜常連組は互いに顔見知りとなり、噂ではジャンケンで順番を決め、
後は何かの目印(石だとか・・・)を置いて車で寝て夜を明かすと聞いた事がある。
毎月毎月、夏でも寒い冬でも同じようにするらしい…
ひょっとするとお店側の牽制か?とも思うような話だった。でも本当の事だそうだ。
 
不思議なことに僕はこの頃のショップ回りをしている時に他のルアーを買った記憶がない。
恐らくバルサ50以外に興味はなかったし、他のルアーを全く知らなかったからだと思う。
師匠が現行のザラとか、福袋の残り物のクランクとかをくれたので、もっぱらそれを使っていた。
僕はまだトップウォーターの道具が好きで、バルサ50が好きなだけだったんだ。
 
そんな時、師匠が耳寄りな話を仕入れてきた。
僕の会社から車で15分位のショップがリニューアルOPENするという…
そこでバルサ50も含め、貴重なルアーを販売するそうだ。
過去の販売実績からして、数は出るのではないかと師匠は言った。
しかも混雑を考慮してか、平日の昼間にOPENするとの事だった。
どうしても行けないと悔しそうに言う師匠を見て、こういう人が多いかも…と意地悪く期待が高まった。
よし!何とかなるかもしれないと嬉しくなった。やっと買えるかもしれない。

そして指折り数えて待った当日。
無理やりに昼休みを早めて、12時前に飯も食わずに車を飛ばした。
11時のOPENから1時間位は過ぎている。だからラージマウスとかアンクルスミスは無理だろう…
でもビッグラッシュ位ならあるのではないか? そして自分が欲しいのはビッグラッシュだ!

でもね、それはとてつもなく甘かったんだ…

飛ばしに飛ばして行ったショップには、信じられない位に車が止まり、人だかりがしていた…
何処から来るんだ?平日だぞ? 様々な思いが頭をよぎった…
当然ながら車は止められない、交通の激しい国道でスペースを探し、ようやく路駐をした。
慌ててショップに駆け込むと、広くもない店内が人でいっぱいだった。もうウンザリした。
ごった返す人ごみの中をかき分けて、バルサ50を探した。
一番ありそうなカウンターのショーケースを真っ先に見に行った。
すると…ここにも〇〇〇円以上お買い上げ云々と張り紙が貼ってあった。
その上ケース内はガランとしていた。信じられない程物がなかった・・・ 
ガックリして急にやる気を失った。
もうこの店に用はない。他はどうでもいいや。
路駐も気になるし、昼休みの時間も限られているし。
帰ろうとしてふと、ワゴンの特売のリールが目に付いた。
取りあえずABUだった。たしか6000円位だったと思う。
トップのセットに2500Cは使っていたから、最初のTD‐Sの竿にセットするリールが欲しかった。
初めて見るそのABUは赤くて丸っこく、少なくとも2500Cよりは竿に合いそうな気がした。
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(これはその時の5500C3! なんと2スピードのモデルだった…)
 
本当は誰かのアドバイスが欲しい所だったが、時間がなかった。
早く戻らないと本当に遅刻しそうだった。
数10%オフの文字にも後押しされ、思い切って買う事にした。
急いでレジに並んでお金を払った。
「ルアーはどれか買われますか?」
金額を打ちこみながら思いがけず店員が聞いてきた・・・
「は?? ルアー??」 
あまりにも唐突なのと予想しなかったんでびっくりして声が裏返った。
実は店員は間違っていた。規定の金額に達していなかった。
忙しすぎて解らなかったのかもしれない。
「…と言っても売れちゃってほとんど無いですけどね…」
その店員は何となく自嘲気味に笑った。
思いがけないチャンスで、あわててショーケースを覗き込んだ。
ガランとしたケースの本当の隅っこに小さな紙箱があった。
これだけが残っていた。WOODY BELLって書いてある。
あまり深く考えずに、それを指差して買う事にした。
値段は結構した記憶があるが忘れてしまった。
店員はこのルアーの支払い時に、間違いに気づいたみたいだった。
でも苦笑いをして何も言わなかった。
そしてこれが僕が初めて自分で買ったルアーだった。
オールドブロンズバッカーってルアーだった。
車に戻って箱を開け、まじまじとルアーを見た。
とてもきれいな塗装、口の金属の感じも良かった。
そして何よりも本当に生命があるように見えたグラスアイが良かった。
すごく心を魅かれた…一発でこのルアーが好きになった。 
バルサ50以外で初めて良いと思うルアーに出会った。嬉しかった。
途中の信号待ちの度にルアーを取り出しては、ニヤニヤ眺めながら会社に戻った。
昼食は抜きになったが、全く気にならないくらいに幸福な思いで一杯だった。
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(これは最近手に入れた物…その時のはグリーンバックみたいなカラーだった)

今思うと…良いルアーだったけど、こんな物にまでプレミアが付くのはおかしいと思う。
このオールドブロンズバッカーを入手してから、僕はバルサ50以外のルアーも意識するようになった。
雑誌も本も買ってルアーを覚えるようになった。少しずつルアーと知識が増えていくようになった。
そして毎日出勤前に箱からこのルアーを取り出して、うっとり眺めるのが習慣となった。
傍から見ると気持ちが悪いかもしれない・・・
しかし僕は大真面目だった。暇さえあればこいつを手に取っていた。
この出会いで僕はルアーの素晴らしさを知り、不思議な魅力のあるルアーという物が大好きになった。
 
この後、しばらくしてから僕は待望のビッグラッシュなどをようやく手に入れることができた。
そして世の中のバスブームとルアー人気はますます酷くなっていった。
雨後の竹の子のように委託販売をするショップがオープンした。
ろくに商品もなく、あるのは法外な値段の プレミアムルアーやロッドやリールだった。
恥ずかしながら人生初のビッグラッシュもそういった店で買った。
いったい何処にあるんだろう?って思ってたメガバスや50やZEALやハトリーズが
定価の何倍もの価格になって売っていた。
OLDのへドンなんて目をむくような価格となっている…

カネモウケ…ルアーというのはとても率の高い投資。
そんな風潮さえあったように思う。そんな異常な状態が結構長く続いた。

でもその最期は悲惨な終わり方になっている。
「いつか普通に50が買える時代が来るんかなぁ~」なんてため息と共によく師匠と話していたが
そもそもザウルスやZEAL自体が潰れてしまった。WOODY BELLもそういえば無くなった。
今、僕の実家の近辺には釣具屋は全くない。全て潰れてしまった・・・
くだんの老舗のショップも潰れた。
ましてや委託販売のショップなんてひとたまりもなかったと思う。
 
当時の熱狂的に皆が買い漁ったルアーを、ここだけは絶好調のリサイクル釣り具チェーンが買い叩き
それを当時の情熱のもうかけらも残っていない僕たちがポツリポツリと買っていく。
今はこんな感じなんじゃないか。
 
あの狂ったような熱気は何だったんだろう・・・
あの徹夜でルアーを買うために並んでいた人達は今もバス釣りをしているのだろうか?
自分も当事者だった。だから何も言えない。言う権利もないだろう。
でもあの当時の好き放題をしていたツケを、今本当にバスが好きで残った人達が払わされている…
そんな気がして仕方がないんだ。

First Time I met the Bass Fishing 後編

師匠と友人のMのトップ向けのタックルに衝撃を受けた僕は、
もう当然のようにトップのタックルを買った。
タックル選びは楽しくも悩ましい物だった。
散々迷ってグラスアイのロッドとチャンピオンタイプのグリップにした。
緑色のロッドに、こだわりでガンタイプのコルク、
2500Cに合わせたシルバーのグリップだ…
初めてセットした時の感動は今でも鮮明である。
本当に嬉しかった。もう日本一カッコいいと思ったんだ。
 
さて…タックルまでは順調に来た。でもルアーは中々思うようにいかなかった。

それまではMや師匠にもらったルアーだった。
福袋の残り物のクランクとかバイブレーションだったりする奴。
師匠のバルサ50が欲しかった、が、世の中は空前のバスブームとかで何処にも売っていなかった。
ZEAL、50、カッコいいルアーは雑誌では見るが実物なんて売っている所を見た事がなかった…
そんな時、ひょんな事でウッディーベルの「オールドブロンズバッカー」というルアーを買う事ができた。
 自分の記憶にある限り、これが最初に自分で買ったルアーだ。
ウッディーベルってメーカーもぼんやり聞いた事がある程度でルアーの種類なんて知らなかった。
でもブロンズバッカーはとても素敵なルアーだった。
クラシカルな外観、とてもキレイなカラー、そして何より生きて見える様なグラスアイにしびれた…
小さな箱に入ったそいつを毎日、ことある毎に取り出してうっとりと眺めるようになった。
ルアーっていいなぁ~ 
大袈裟でなく心よりそう思った。こういう趣味を見つけてとても幸福だと思った。
こうやって僕はルアーにも夢中になった。
da-ta-
 
タックルは揃った!! そう、あとはバスを釣るだけだ…
春真っ盛りになっていた。トップの初釣行がもう間近に迫っていた…
 
いよいよ初釣行の日、僕は朝からそわそわしていた…
ロッドとリールはもちろん持った。タックルボックスはこの日の為に買ったプラノだ。
まだ春でゆっくりでも大丈夫との事でそんなに早くなかった。
 師匠が迎えに来てくれる事になっていた。 約束よりちょっと早い時間に師匠は現れた。
いつものシーマ(扁平の極太タイヤにホイールの…)に ジョンボートを乗っけていた。
シーマに付けるキャリアーってあるんだ?っていつも思ってたやつだ。
「早いやん!」家の前で立って待ってた僕をみて師匠はニヤリと笑った。
「何処に行くん?」
荷物を積み込んで、すべすべのシーマの革シートに座りながら僕は聞いた。
「東条川がええ思うねん」
「この辺でフルサイズのプラグに出んのはあっこぐらいやし、めっちゃ引くでぇ」
それから釣り場まで色んな話をした。
車もそうだけど師匠には不良っぽいイメージがずっとあった。
でも本当は違った、人生に対して、仕事に対して、そしてバス釣りに対して、とてもまじめだった。
今まで一人か、会社の同僚と釣るかだけだったみたいだ。
素直に同級のトップの釣友が出来たのが嬉しいらしい。
「ほんまトップやってくれて嬉しいわ」って何度も言った。
不思議だったけど悪い気はしなかった。
それから僕が聞き役で昔のバス釣りの話をした。
全盛期の加古川の話…投げ損なって岸に落ちたビッグラッシュにバスが食いついたそうだ。
ふた昔前の東条湖…50オリジナルが引っかかって泳いで取に行ったそうな。
昔はよく釣れたらしい。 普段は無口だけどバス釣りの事はとてもよく喋った。
そして僕はそんな話を聞くのが大好きだった…
 
この辺ではここしかない!という釣り場は川を堰堤でせき止めた上流だった。
橋桁に車を止め、ボートを降ろしてエレキやバッテリーの準備をした。
ワクワクする作業だった。 僕は野田知佑が好きでファルトボートをやってたんで、
久しぶりの水面だった。とても気持ちがいい。
それにしてもジョンボートの安定感とエレキの便利さには感心した。
これは病み付きになる予感がした。
師匠がエレキの操作をし、僕はボートの本当の突先に腰かけた。
そして以後、これが僕らのスタイルになった。
チョロチョロっとある下水の流れ込みの手前で師匠がボートを止めた。
結構距離があるように見えた。
「トップは沖から岸へ投げるねん」
「ああいう流れ込みとか、木の陰とか、岩とか、そんな所のキワに投げんねん」
「手前はアカンで…ポイントから30cm以内でないと苦しいで」
「投げたら静かになるのを待って動かすねん」
「動かし方は?」と僕は聞いた。それは実地でこれからやって見せてくれるという。
師匠はフィリプソンを振りかぶって、ビッグラッシュを投げた… 
フィリプソンは惚れ惚れするようなしなりを見せて弧を描き、ビッグラッシュが飛んで行った。
フライでもライナーでもなくポトンとビッグラッシュは土管のすぐ横に落ちた。
「ええ? 糸ふけを取ってロッドでチョンってやると横向くやん?」
「そしたら続けてスケーティングさすねん」 師匠のやったアクションは衝撃だった…
まるで生き物のように、蛇のようにウネウネとルアーが動いた。
「ホンマは途中でポーズを取るんやけど…、糸は常に巻き取るねんで… あっ!!!!」
蛇のように動いていたビッグラッシュに「ボシュッツッ」とバスが出た! 
全く予期していなかったバイトだ。
師匠もびっくりしたが、僕はもっとびっくりした! 
あっけなくバレたけど、まだ胸がドキドキしていた…
でもチラリと見えたバスとペンシルの動きは強烈な印象を受けた。

ボクモコレデツリタイ…

痛烈にビッグラッシュが欲しいと思った。
でも持ってない。だから少しだけ似ていたバチ物のペンシルを使った。
woddy totoなる安いハンドメイド?のルアーだった。
たしかスケーティングが得意とかパケに書いてあった。
piratta
(その時の現物はとっくにロスト…これはその後入手した別物。今ではこっちの方が欲しい)
 
人生初のトップキャストは覚えていない。
ルアーが隣の師匠に引っかかるんじゃないかと心配したのは覚えている。
投げて動かすの時に頭にあったのは先ほどの師匠のビッグラッシュだ! 
でも足元にも及ばなかった…
(この動きは今でも僕の心に残ってて、絶対に越えられないのではないかと思う)
その後、バイトは無くしばらくは黙々とキャストをした。
僕はルアーを何度も何度も岸に引っかけてしまった。
その度に師匠は嫌な顔一つせず外しに行ってくれた。 
でもその内にだんだんとコツが解って引っかからなくなった。
暖かい春の日だった。ボートに揺られながら、
ヒバリがピーチクピーチク鳴き、どこかでウグイスも鳴いている…
「気持ちええなぁ~ バス釣りってええなぁ~」本当に本心から出た言葉だった。
「ええやろ?」 「色々やったけどバスが一番ええわ」
「いつでも言うてや、毎週でもええで」と師匠は言ってくれた。 
 
上流の折り返し地点を過ぎて、今度は反対岸を打つようになった。
僕は右手側が開くので投げやすくなった。
練習の意味でずっと同じwoddy totoを使っていた。
師匠は僕が投げるたびに「ええ所に入った」とか言ってくれた。
でもちょっとダレてきて元気が無くなった頃だ、 下りの折り返しのすぐ後、
何げなく投げたルアーが川にせり出した竹藪の根元にズボッと入った。
師匠は今度は本気で「ええ所に入ったで」と言ってくれたような所だった。
ただ暗くてルアーが見えなかった。
動かそうとするとルアーが動かなかった。
「あかん引っかかった・・」そう言って外しに行こうとした時、
水面がムワンと盛り上がった! 「・・・?」あれ、なんか変だぞ。 
「釣れてる!!」いきなり師匠が叫んだ。
「早よ巻け! 竿立てて! 早よう!!」 
竿が満月のようにしなった。折れる?そう思った…
必死で巻いた。とても重く感じた。その時バスがジャンプした!! 
仰天した!! 頭が真っ白になった。
「でかっ!? ばらすなよ!!」 師匠も興奮していた。 
ゴンゴンッという感じでバスが強力に引いた。
リールを必死で巻いて、バスは何とか船べりまで来た。
「そのまま抜きあげや!!」と師匠が叫んだ。 何も考えずバスを抜きあげた。
異様に重く感じたそいつはボートの中を転げまわって、やがて大人しくなった。
「やったなぁ~めっちゃええバスやで」と師匠がニコニコしながら褒めてくれた。
僕は初めてバスを見た…凄い!が最初の感想だった。
チヌみたいだ! 筋肉隆々として見えた
エラをパクパクさせいるそいつは凄く大きく見えた。
「持ってみ…針に気を付けや」恐る恐る口を持った。
また暴れた、口は分厚くてザラザラしていた重かった。
そしてどうしても手が震えた…
生まれて初めて見て、釣ったバスはとても大きく見えた。
師匠が測ってくれたサイズは42cmだった。
「ナイスバスや! 最初の一匹がランカーかいな。 悔しいなぁ~ワイも釣りたいわ」
師匠は笑って言った。ようやっと心が落ち着いてきた。でもまだ手は少し震えていた。
「めっちゃ引いた…」つい言葉にでた…
「ここのバスは川バスやからめちゃ引くねん」
「また途中で流れにのったらもっと引くで」と師匠は言った。
この後、師匠が悔しくなったとの事で、もう一度上流まで行き、
再度流してみたが全くバイトもなかった。 川バスは気まぐれで急に釣れなくなったりするそうだ。
そんな話を夢うつつで聞いていたような気がする。
大変だ!…このルアーをたくさん買わないと…、ボートも欲しいし、えらい物にはまってしもた…
心の中でそんな事を考えながら、そして満ち足りた思いで家路についた。
 
このバスを釣った後、僕は完全にバス釣り中毒のようになった。
給料のほとんどを道具につぎ込み、師匠と共に毎週のように釣りに行った。
あれから25年以上が過ぎた。随分と生活環境も変わった。道具も変わった。師匠とも合わなくなった。
でもあの時にバスに対して思った「凄い魚」という意識は今でもかわらない。
ルアーという奇天烈な物に反応し、かかっても最後までファイトする凄い魚…
そして本当に大切な趣味を見つけたという思いも今も変わらないんだ。
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プロフィール

リトルN

80年代の音楽、バス釣り、映画、道具が大好きなオッサンです。
そしてインドネシア赴任がスタート! 東南アジアの怪魚釣りを夢見ています!

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